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■【準決勝・トルコ戦】強敵トルコ再び下し-遂に未踏のペンタ獲得へ
6月27日(木)
六月二十二日の韓国対スペインは、〇対〇の延長の末、PK戦で韓国が勝った。しかし、テクニックではスペインがはるかに上。後半開始早々にバラーハがヘディングで、また延長前半にはホアキンからのクロスをモリエンテスがヘディングでゴールをあげたものの、なぜか取り消されてしまった。延長に入ってからルイスエンリケがフリーで抜け出す場面もあったが、これもオフサイドの判定。審判は、まるでスペインに勝たせないことを決めているかのようだった。
こうして、韓国は地元観衆のすさまじい応援と審判の助けを得てベスト四まで進んだ。しかし、二十五日にソウルで行なわれたドイツとの準決勝ではドイツに試合を支配され、〇対一で屈した。ドイツのサッカーは決して華麗ではないが、やはり勝負強い。ワールドカップで過去三回優勝した実績は、だてではない。
そして二十六日、埼玉スタジアムでのブラジル対トルコの準決勝である。この日の埼玉スタジアムは六万一千五十八人を飲み込んだが、ほとんど黄色一色だった。試合のために本国からやってきたブラジル人がサンバを奏で、デカセギで日本に住んでいる日系ブラジル人がポルトガル語で声援を送り、そして日本のブラジルサッカーファンもカナリア色のユニフォームを着て日本語でロナウドやリバウドやロベルトカルロスを応援する。
ブラジルとトルコは、グループリーグ緒戦で対戦している(このときはブラジルが二対一で勝った)から、両チームとも手の内はわかっている。ブラジルは準決勝のトルコ戦でロナウジーニョが退場処分を食らってこの試合に出場停止となったため、代わりにエジウソンが入った。
静かな立ち上がりだったが、やはり技術で優るブラジルが次第に優勢となり、ロナウドやリバウドが惜しいシュートを連発する。トルコも前半十九分に右からのクロスをアルパイがヘディングシュート。これがゴール左隅を襲うが、ブラジルのゴールキーパー、マルコスが辛うじて弾き出した。
結局、前半は〇対〇。そして迎えた後半四分、左サイドでパスを受けたロナウドが相手ディフェンダー三人に囲まれながらもシュートした。これがトルコのゴールキーパーの手を弾いてゴール右隅に飛び込んだ。ブラジル待望の先取点。ロナウドの今大会六点目である。場内は大歓声に包まれた。
リードされたトルコは、もう攻めるしかない。トルコがボールを支配し、ブラジルがカウンターアタックで二点目を狙うというスリリングな展開となった。
トルコが最大のチャンスを迎えたのは、後半三十五分。左サイドからのフリーキックを長身のフォワード、ハカン・シュキュルが頭で合わせたが、マルコスがパンチングで逃れた。
この大会のマルコスは、ほとんどノーミス。鋭い反応で、際どいシュートを何度も止めている。
後半、ブラジルはルイゾンやデニウソンを投入し、デニウソンが得意のドルブルで延々と時間稼ぎをしたりして、あまり苦労せずに逃げ切った。
試合終了を告げる審判のホイッスルが鳴ると、ブラジル選手は全員が抱き合って大喜び。フェリペ監督も、この日大活躍したリバウドと抱き合って勝利を喜んだ。
ブラジルとドイツはワールドカップの常連だが、ワールドカップで対決するのはこれが初めて。しかも、それが決勝である。日本の観衆の大部分はブラジルの応援に回るだろう。三十日の決勝戦は四回優勝のブラジルと三回優勝のドイツの伝統と意地を賭けた戦いとなる。選手個々の技術では、ブラジルが上。ドイツとは相性も良く、過去の対戦成績では大きく勝ち越している。ロナウド、リバウドが好調で、決勝にはロナウジーニョも帰ってくる。どこから見ても、ブラジルが五回目の優勝は揺るがない(と思いたい)。
サッカージャーナリスト 沢田啓明 |