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■【対中国戦】 大勝は当然─これからがW杯本格試合(6/11)

6月11日(火)

 五月三十日に韓国に渡って以来、サッカーの試合を追って移動を繰り返す毎日が続いている。まず、三十一日にソウルでフランス対セネガルの開幕戦を観戦。初出場のセネガルが前大会の覇者フランスを撃破するのを目撃した。
そして翌六月一日に韓国南部の工業都市、蔚山(ウルサン)に移動してデンマーク対ウルグアイ(二対一でデンマークが快勝)を見てから三日にやはり蔚山でブラジル対トルコを観戦。終了間際に主審からPKをプレゼントされたブラジルが二対一で辛勝するのを見届けてから翌四日に釜山(プサン)から成田へ飛び、その足で埼玉スタジアムに向かって日本対ベルギーを観戦した。
この試合はベルギーが先制したが、日本が鈴木、稲本の連続ゴールで逆転。しかしその後ベルギーに追いつかれ、稲本のゴールを無効とされて二対二の引き分けに終わった。その後、六日に再び埼玉スタジアムでカメルーン対サウジアラビアを観戦。ドイツに八点ぶち込まれたサウジアラビアにカメルーンが猛然と襲いかかるのものとばかり思っていたのだが、ちぐはぐな攻撃でたったの一点しか取れなかった。
そして、七日に釜山経由で済州(チェジュ)島の西帰浦(ソギポ)にやってきた。西帰浦は「韓国のハワイ」と呼ばれる風光明媚なリゾート地。人口九万人足らずという小さな島だが、二万人を超えるという中国からのファンで賑わっていた。ブラジル、日本からのファンもいるが、数の上では中国の圧勝だった。
 八日にブラジル対中国の試合が行なわれた済州ワールドカップ競技場は、昨年十二月にオープンしたばかり。船の帆のような形をした大きな屋根を持つ美しいスタジアムだ。このスタジアムに限らず、韓国でも日本でもワールドカップのために造られたスタジアムはいずれもモダンで素晴らしい。ふだんブラジルにいて老朽化したスタジアムで試合を見ている者としては、うらやましい限りだ。
 試合の方は、ブラジルが実力差を見せつけて圧勝した。まず、前半十五分にロベルト・カルロスがゴール前やや右寄りのフリーキックをゴール左上隅に叩き込んで先制。三十二分にはロナウジーニョ・ガウーショの左からのクロスをリバウドが押し込み、前半終了間際にはペナルティ・エリア内でロナウドが倒されてPK。これをロナウジーニョ・ガウーショが決めて三対〇とした。
そして、後半十分にもカフーの右からのクロスを中央でロナウドが合わせて追加点。さらにあと三点ほどは取れるチャンスがあったが、シュートのタイミングが遅れたりして逃してしまった。
一方、中国もブラジルのディフェンス・ラインの裏を突いて何度かチャンスを作ったが、なにしろボールを止める、蹴るといった基本技術からして未熟で、競り合いにも非常に弱い。後半十四分に肇俊哲(ジャオ・ジュンジェ)が左から持ち込んでシュートを放ったときが最大のチャンスだったが、これも右のゴールポストに当たってそれてしまった。
 それにしても、中国は弱い。ベネズエラよりもまちがいなく弱いから、仮にワールドカップの南米予選に参加したとしたら最下位だろう。そもそも、中国やサウジアラビアのような国がワールドカップに参加すること自体がまちがっているのではないか。ワールドカップに参加する国が世界の三十二強であるべきだと考えるなら、アジアからの参加枠を欧州と南米に少なくとも一つずつ譲ってしかるべきだろう。
 これでブラジルは二戦二勝、得失点差プラス五で決勝トーナメント進出を決めた。九日にコスタリカとトルコが引き分けたので、十三日(試合はブラジル時間の午前三時半から)のコスタリカとの試合で引き分ければグループ一位となる。
 二試合を終えた時点で、優勝候補とされるフランス、アルゼンチン、イタリア、ポルトガルに早くも土がついた。これに対し、ブラジルは対戦相手にも恵まれて順調なスタートを切った。
 しかし、ブラジルが中国に大勝したのは相手の力からして当然のこと。パスミスやポジショニングのミスが多くあり、決して誉められる内容ではなかった。ブラジルは、これまでの二試合で露呈したミスを修正しながらコンディションを上げてゆく必要がある。これから本当のワールドカップが始まるのだから。

サッカージャーナリスト 沢田啓明

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