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■サッカーW杯観戦記-セレソンの全試合を追う-【対トルコ戦】 効果大きい緒戦勝ち-韓国でも人気のセレソン

6月4日(火)

本紙特派サッカージャーナリスト 沢田啓明

 【蔚山三日】苦しんだ末、ブラジルは二対一で緒戦を制した。前半、ブラジルはほぼ一方的に押し込みながら相手GKの好守もあってゴールを割ることができない。逆に、前半のロスタイムに入ってから守備陣の裏側を突かれてトルコに先制を許した。しかし、後半開始早々、ブラジルはロナウドのゴールで同点に追いつき、その後また攻めあぐんだものの後半四十分に相手GKのミスキックを拾ったルイゾンが相手DFに倒されてPK。これをリバウドが落ちついて決めてようやく逆転した。
 守備にミスが多く、また数々の決定機を逃すなど、決して誉められた試合内容ではなかった。それでも、緒戦で勝ち点3を確保したのは大きい。内容はともあれ結果が出たことで、次戦以降、ブラジルはもっと余裕を持って戦うことができるだろう。

 韓国南部の工業都市、蔚山(ウルサン)の文殊(ムンス)競技場は、ほぼ満員の四万人の観衆で埋まった。そのうち、ブラジルとトルコのファンがそれぞれ二千人近くいただろうか。ブラジル代表は韓国でも人気があり、セレソンのレプリカシャツを着た韓国人のファンも多く見られた。
 ブラジルは、試合前日の試合中に主将でボランチのエメルソンが右肩を脱臼して離脱するというアクシデントがあった。このため、フェリペ監督はエメルソンの代わりにジルベルト・シルバを投入。ただ、フォーメーションは3─5─2だがボランチは一人で中盤にロナウジーニョ・ガウーショとジュニーニョ・パウリスタを置く。ツートップは、例によってロナウドとリバウドである。
 ブラジルは試合開始早々から積極的に攻め、ロナウド、リバウド、ロナウジーニョ・ガウーショらが次々とシュートを放つ。一番惜しかったのは、前半三十九分。左からのクロスをゴール前で待ち構えたリバウドがフリーでヘディングしたが、トルコのGKレクベルが右手一本で弾いた。
 レクベルの好守がなければ、前半でブラジルが一、二点取っていてもおかしくない展開。しかし、こういう時はえてして攻撃に気を取られるあまりに守備がおろそかになることが多い。前半終了間際、トルコがカウンターアタックから攻め上がり、スクールがブラジルの右サイドのロッケ・ジュニオールの背後にクロスを送る。これに合わせて走り込んだサスが左足で強烈に蹴り込んでトルコが先取点をあげた。前半はこのまま終了し、ブラジルは一点のビハインドを背負って後半を迎えることとなった。
 このような試合では、なるべく早く同点にしてチームを落ち着かせたいところ。後半五分、ブラジルはリバウドが左サイドからクロスを入れ、これをロナウドが体を投げ出して右足に当ててゴールに押し込んだ。1─1の同点である。
 ブラジルはその後も攻勢を続け、後半二十分にはこの日不調のロナウジーニョ・ガウーショを下げてデニウソンを入れる。また、ジュニーニョ・パウリスタの代わりにバンペッタを入れて中盤の守備を立て直し、さらに疲れが見えるロナウドの代わりに勝負強いルイゾンを投入して勝ち越し点を狙う。
 ブラジルの二点目は、二つの幸運に助けられた。まず、それまでファインプレーを連発していたトルコのGKレクベルの蹴ったボールが誤ってゴール前約三十メートルの地点にいたルイゾンに渡る。ルイゾンがドリブルで突進すると、ペナルティーエリアに入りかけたところで相手DFがルイゾンを倒した。倒されたのがペナルティエリアの中か外か微妙なところだったが、韓国人の主審はブラジルにPKを与える。これをリバウドが落ち着いてゴール右隅に決めてブラジルに待望の二点目をもたらした。そして、トルコの反撃を抑えてそのまま逃げ切った。
 ブラジルは、やはりボランチが一人では中盤の守備が心もとない。また最終ラインのミスも多く、それらがトルコの先制点に結びついた。しかし、後半バンペッタが入って中盤の守備が安定し、崩される場面がほとんどなくなった。また、デニウソンのドリブルがこの日も切れまくり、トルコ守備陣を翻弄した。
 次は八日(ブラジル時間では午前八時半から)の中国戦。ブラジルとしては、ここで勝って決勝トーナメント進出を決めたいところだ。そのためには、緒戦で出た数々のミスを修正する必要がある。大会を通じてセレソンが進化してゆくことを期待したい。

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