□自然保護と人間の未来について(2) 話を戻して人間と自然との関係を考えたとき、もし地球上の全ての生物が食物連鎖によってしか生きられない、というのが原則だとすれば、食物連鎖の頂点にあると思われる人類が、究極的に地球上全てのものを食べ尽くし、最後に絶滅してしまうしかない運命にあるかも知れない、とは思えないだろうか。 そうなる前に、人類はその知恵でなんとか生き長らえる方法を考え出す、とは思うのだが、その過程としてかなりの種類の生物を滅亡に追いやるだろうと思う。そんな現象が、すでに始まっているのだ。 そこで、その破壊作業、いわゆる開発という名の破壊が、どの時期でどんな形で終わるか、が問題になってくる、と筆者は考えている。 かなり近い将来、この地球上における未開の土地が無くなってしまう、いや、すでにもう未開という場所は地球上には無いのかもしれない。 アジア大陸、アフリカ大陸、アマゾン湿地帯でも、文明をもった人類がそこに入る前、自然は頑としてこれ(人間)を拒否してきた。しかし、一度人類に入られてしまうと、この主従関係が逆転してしまい、自然が主で人間が従だったのが、人間が主になって自然が従になる。 これは何の力かというと、人類(主にヨーロッパ人)の頭脳によって生み出された銃火器の力だろうと思う。何万というインカ帝国がフランシスコ・ピサロ率いる僅か百人余りのスペイン人によって滅ぼされたのも、日本がたった数隻の黒船によって開国を強いられたのも、すべて銃火器の力だったのだと思う。 そういう意味においても、銃を発明したヨーロッパ文明が、結局人類を、自然を、破滅に追い込む原因になるのだろう。 また、別の面ではアフリカから端を発した「エイズ」という人間の天敵によって、人間がバタバタ死んでいく状況にある。このような現象を〔人間の間引き〕なんていう危ない現象だとすると、これも自然浄化の一端となるのかもしれない。 人間の間引き、なんていう危ない表現になったが、地球上に人間が増え過ぎたら、結局絶滅するしかなくなってしまう現実がありそうだ。究極の自然保護は、究極の人類救済なのかもしれないと考えている。 自然保護という問題を取り上げると、結局、そこまで行ってしまう、ということではないだろうか。 話が大きくなってしまったので、本題をアマゾンの話しに戻して――。 アマゾン上空をたびたび飛んでいて、本当の意味でのアマゾン自然保護とは、一体どういうことか考えてみた。 アマゾンの山に木を植えることなのか、滅びゆく動物を集めて人工的に増殖させることなのか。それらも方法の一つとしては正解なのだろう。 しかし、最も根本的なアマゾン地域の自然保護対策を具体的に考えるならば、それは〔人間が入る道を作らないこと〕だと筆者は確信をもって言える。 上空から観察していると、一本の道を挟んで、その両側がキッチリと開拓され、そこから全ての開発荒廃が始まっているのだ。アマゾンを守ろうと思えば、これ以上道を作らないことだと思う。それなら交通機関はどうするか、というと、これは川を使って船でやれば十分だろうと思うのだ。 要するに、アマゾンを守ろうと思えば、自然を放っておくことが最大の自然保護だという結論に達した。 これが筆者の私的自然保護論である。つづく (松栄孝) 身近なアマゾン(1)――真の理解のために=20年間の自然増=6千万人はどこへ?=流入先の自然を汚染 身近なアマゾン(2)――真の理解のために=無垢なインディオ部落に=ガリンペイロが入れば… 身近なアマゾン(3)――真の理解のために=ガリンペイロの鉄則=「集めたキンのことは人に話すな」 身近なアマゾン(4)――真の理解のために=カブトムシ、夜の採集=手伝ってくれたインディオ 身近なアマゾン(5)――真の理解のために=先進地域の医療分野に貢献=略奪され恵まれぬインディオ 身近なアマゾン(6)――真の理解のために=元来マラリアはなかった=輝く清流に蚊生息できず 身近なアマゾン(7)――真の理解のために=インディオの種族滅びたら=言葉も自動的に消滅? 身近なアマゾン(8)――真の理解のために=同化拒むインディオも=未だ名に「ルイス」や「ロベルト」つけぬ 身近なアマゾン(9)――真の理解のために=南米大陸の三寒四温=一日の中に四季≠ェ 身近なアマゾン(10)――真の理解のために=アマゾンで凍える?=雨季と乾季に四季♀エじ 身近なアマゾン(11)――真の理解のために=ペルー国境を行く=アマゾン支流最深部へ 身近なアマゾン(12)――真の理解のために=放置、トランスアマゾニカ=自然保護?改修資金不足? 身近なアマゾン(13)――真の理解のために=クルゼイロ=アクレ州の小川で=狙う未知の魚は採れず 身近なアマゾン(14)――真の理解のために=散々だった夜の魚採集=「女装の麗人」に遭遇、逃げる 身近なアマゾン(15)――真の理解のために=眩しい町サンタレン=タパジョス川 不思議なほど透明 身近なアマゾン(16)――真の理解のために=私有地的に土地占有=貴重な鉱物資源確保目的で 身近なアマゾン(17)――真の理解のために=近年気候変異激しく=東北地方、雨季の季節に誤差 身近なアマゾン(18)――真の理解のために=ピラニアよりも獰猛=サンフランシスコ川=悪食ピランベーバ 身近なアマゾン(19)――真の理解のために=異臭発しても観賞魚=円盤型、その名の意味は? 身近なアマゾン(20)――真の理解のために=ディスカスの自衛方法=筆者の仮説=「あの異臭ではないか」 身近なアマゾン(21)――真の理解のために=タパジョス川の上流に=今は少ない秘境地帯 身近なアマゾン(22)――真の理解のために=ゴールドラッシュの終り=河川汚染もなくなった 身近なアマゾン(23)――真の理解のために=環境破壊を防ぐ行動=国際世論の高まりのなかで 身近なアマゾン(24)――真の理解のために=乱開発された土地に大豆=栽培の競合もつづく 身近なアマゾン(25)――真の理解のために=コロンビアとの国境近くで=知人の訃報をきく悲哀 身近なアマゾン(26)――真の理解のために=インディオの「月」の解釈=ネグロ川上流できく 身近なアマゾン(27)=真の理解のために=肥沃な土地であるがゆえに=自給自足生活が営める 身近なアマゾン(28)――真の理解のために=モンテ・アレグレの壁画から=古代日本人の移住を思う 身近なアマゾン(29)――真の理解のために=人間に知られないまま絶滅=そんな生物も多かった? 身近なアマゾン(30)――真の理解のために=命を賭した移民の開拓のあと=説明できない悲哀が… 身近なアマゾン(31)――真の理解のために=漁師に捕獲されれば=食べられてしまう=ペイシェ・ボイ「雄牛魚」 身近なアマゾン(32)――真の理解のために=日本語を話した?カワウソ=すごく笑いがこみあげて来た 身近なアマゾン(33)――真の理解のために=自然保護活動と山火事=何億の動植物が灰になる?