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■クラスの1/4が日系子弟の学校も=デカセギ子弟教育問題=困惑深める地方自治体=豊橋から教育視察団が来伯=「子供の将来考えて」

2006年6月28日(水)

 多いところでは一学級の四分の一がデカセギ子弟の学校もある愛知県豊橋市から、当地の教育事情を調査するためにブラジル都市視察訪問団(加藤正俊団長)の一行七人が十九日に来伯し、約一週間にわたって聖州やパラナ州で小中学校を見学、デカセギ経験者に教育についての考えを聞いた。その結果、「日本に来る前に、親は子供の将来もしっかり考えてほしい」との感想を強く持ったと語った。
 二十五日午後、聖市の愛知県人会館で一行を迎え、県人会役員や留学OBら約二十人が意見交換した。
 最初にあいさつに立った、教育委員会の加藤正俊教育長は「今回、デカセギ経験者と面談する中で、お金稼ぎが第一で、子供の教育がおざなりになっていることを認識した。親の都合で子供が不幸になってはならない」と語り、訪日前にこの点を十分に考えるよう呼びかけた。
 「何年か後に、ブラジルに帰る人は意外と少ないと認識している」。滞在の長期化に伴って問題も深刻化している。帰伯する子弟にはポ語学力が必要だが「現在の日本の教育では日本語には積極的だが、母語の保持にはなんらできない状況にある」と語った。
 昨年、公立中学を卒業した外国人は四十余人で、うち三分の一が私立高校、三分の一が公立の夜間高校、残りは仕事を探している状態だという。進学率は大変低い状況で、日本に滞在を続けても良い仕事に就労するのは難しい。
 愛知県の最東端に位置する人口三十八万都市、豊橋市には一万八千人の外国人が住み、うち一万二千人と大半がブラジル国籍者。市立小中学校七十四校に在学する外国人の子供は九百人で、うち七百人が日系ブラジル人。多い学校では全校生徒四百八十人のうち、百人近くが外国人で、その大半がブラジル人のところもあるという。
 「多いところでは一クラスの四分の一が外国人児童。かつての教育現場の風景は失われました」と、同教育委員会で外国人児童生徒の担当をする山西正泰指導主事はいう。その声にはどこかあせりのようなものがにじんでいた。ここ数年でデカセギ子弟があっという間に増え、教育現場からの困惑の声が相当あがっているようだ。
 ほかにもブラジル人学校に五百人が通っているとされるが、不就学の子供は二百〜三百人いると推定されている。

財政難に悩む自治体

 デカセギ集中地区の静岡県湖西市や浜松市がすぐ東側にある地理関係から、加藤教育長は「県境を越えて静岡県西部地区に働きに出ている人が多い。市内企業で働く労働者とは違う。このような状況は全国では豊橋だけ」と説明する。
 つまり、デカセギを雇用する企業が払う税金は他県に落ち、豊橋はベットタウンとして社会的コストばかりを負担させられる状況にあると訴えている。
 豊橋市の石原康次企画部長も「日本は少子化、高齢化で税金を払う人が減り、使う人が増えており、財政難になっている。市長が将来を心配しているので、やってきた」と説明した。
 このような問題はすでに一地方自治体のレベルではない。外国人労働者の多い十八都市がこのような問題を国に訴えるために、外国人集住都市会議が毎年開かれている。県も今年から多文化共生室を設置し、本格的な取り組みをはじめた。
 県人会の林アンドレ前会長は、日本移民の子孫がブラジル社会で活躍している現状を紹介し、「ブラジル子弟が日本社会に溶け込めるように、温かく見守ってくれる環境作りをお願いしたい」とした。伊藤アンテノール会長は「ブラジルの子供のためにわざわざ厳しい日程で来てもらいありがたい」と感謝を述べた。
 一行は聖州では日本人学校、モジ市やカンポス・ド・ジョルドン市、パラナ州ではバラナヴァイ市やマリンガ市、ロンドリーナ市を訪問し、公立私立の学校を視察、帰国者の親と面談した。二十六日晩、帰途についた。

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