これを読んで下さる皆様にお願いがございます。大きく息を吸ってー吐いて、吸ってー吐いて、大きく深呼吸して下さい。そして最近あった楽しい出来事を思い浮かべて下さい。又は大好きな食べ物のことを考えて下さい。そして大きな元気いっぱいの明るい声で次の「 」の中の言葉を声に出して読んで下さい。
「おはようございまーす!」
ボツカツ日本文化協会で日本語教師をしている私の一週間はこの声の主のおかげで楽しく面白く明るく素敵に元気よくスタートすることができます。
声の主は「ボツカツ漢字博士」。日本語を学んで二年半になる非日系の英語教師。漢字が持つ意味が面白いと言っていつも、私がきっと知らないだろうと思われる難しい言葉を漢字で教えてくれます。
今日教えてくれた言葉の一例を紹介しましょう。「獅子吼」読み方は(ししく)。意味は@ライオンが吼えること。A大演説。この言葉から歴史上の大演説の話になり、話はドイツのヒトラーやキューバのカストロに及んでいきました。もちろん全て日本語です。 「共産主義」や「捕虜」「あるまじき行為」などという難しい言葉もじゃんじゃん出てきます。二十五歳と若いけれど、英語やフランス語はもちろん、ロシア語やギリシャ語なども堪能。驚くべきことに日本語は彼にとって十三番目の言語です(私にとっては一番目の一番得意な言語なのですが…)。博士は甘いものに目がないので、新しく「チョコレートの虜」という言葉も学びました。
彼が漢字を好きな理由のひとつにこんなエピソードがあります。
「hipertricose」
インターネットでこの言葉を見たとき、彼はこのポルトガル語の専門用語が分かりませんでした。ところが日本語の漢字を見たときに意味がすぐに分かった!というのです。日本語では「多毛症」。みなさんもお分かりになりますね? 漢字のひとつひとつの意味が分かっているからこその素晴しい経験です。
時に(この言い回しが今教室で流行っています)二〇〇六年四月、来伯十カ月。私の日本語の語彙はこの異国ブラジルで確実に増えているということは一体どういうことなのでしょうか?
彼をはじめとするボツカツで出会った日本語学校の生徒達の素朴な質問。鋭い指摘。正直な反応。「漢字博士」の他に「静かなギャグ大将」も「犬夜叉ちゃん」も「人間記憶機さん」も「忘れ物あわてんぼドクター」も「笑顔の天使」も「努力する大天才」などと私が密かにあだ名をつけている他の生徒も楽しく素敵なエピソードを持っています。
今日も夜九時半に授業を終え、他の先生達と彼らの話をし、大声で笑いあっているとあっという間に十二時になってしまいました。 ボツカツにはどうしてこんなに愉快で楽しく面白く素直な生徒ばかり集まっているのでしょうか? 大きな声で笑うことが当たり前の生活はボツカツ日本語学校の先生、生徒達のお陰だと感謝する毎日です。
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【職種】日本語教師
【出身地】愛知県東海市
【年齢】35歳 |