昨年の話になるが、日本のお盆ともいえる十一月二日のフィナードス。お世話になっている家族と一緒に、町のセントロとコロニア両方のお墓参りをした。
この日は町じゅうの人がお墓参りをするので、セントロのお墓は大賑わい。日本では、人が多くても静かだけれど、ブラジルではいつもと変わりなく人々の服装も華やか、カラフルな旗が飾られていた。
お墓の門の外ではお菓子(お供え用ではなく、ふつうのポップコーンなど)やおもちゃやろうそく、お花などの露店が出ており何かのお祭りのようだった。
お墓の中では、お祈りをしている人の横で、子どもが遊んだり、平気でお菓子を食べていたり。石の上にすわって休憩しておしゃべりをしている人など色々な人がいて、日本の厳かな雰囲気とは違って明るい雰囲気で、お国柄が出ているなあと感じた。
お供えする花も日系人の方は菊の花を供えていて、ブラジル人のお墓には色とりどりの生花が供えられていた。ポルトベーリョでは生花はとても高いし、花屋も町にあまりないのでこの日初めて、こんなにたくさんの生花が売られているのを見た。サンパウロから入ってくるそうだが、菊の花があるのにもすごいと思った。
後から聞いて驚いたことだが、お供えしてあるよそのお墓からこっそりもらって自分の家のお墓に供えたり、フィナードスの次の日にお墓に供えてある生花をこっそりとってきたものを町で安く売って商売する人がいるとか。しかもそれを買う人もいるとか。一部の人がしていることとはいえ、お墓の花を盗んだり、売るなど日本では考えられないことだ。
コロニアのお墓は、サンパウロからとりよせられているそうだが、石に漢字で名前が彫ってあり日本と同じだ。でも、大きさは日本よりずっと大きく立派なものだった。コロニアは移住当初三十家族だったが、今では五家族、お墓もとても静かだった。
お参りのあとで、家におじゃまして、おいしいおすしやお赤飯、お饅頭をたくさんごちそうになった。もちろん、お墓にもお供えした。
家には仏壇があり、親戚の家にご霊前を持って行ったりもする。地球の反対側で、移住して五十年以上たった今でも日本の風習をずっと大切にされていることに感動した。
「ブラジルには昔の日本が残っている」と聞いていたけれど、今では昔の古き良き風習がなくなりつつある今の日本に対して、ここブラジルでは日本の風習を大切にされているのを見て、あたたかさを感じた。 時代も世代も変わっていくけれど、これからもずっと大切にしてほしいものだ。
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【職種】日本語教師
【出身地】滋賀県大津市
【年齢】26歳 |