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■動き始めた在宅介護=システム確立可能か(11)=ソフトもハードもある=連携で効率的支援が

10月5日(土)

 サンパウロ人文科学研究所(宮尾進所長)は〇一年に、同市ビラカロン区やアリアンサ移住地など州内四地域で日系社会の実態調査を実施した。その報告書によると、六十五歳以上の高齢者が占める割合は平均で一七・一%と日本並の超高齢化社会となっている。
 体が弱くなった後の面倒を見てくれる人の存在について、「はい、います」と回答した人は八八・四%と圧倒的に多い。老人ホームへの入居については、六五・三%が入居したいとは思わないと答えた。つまり、在宅支援が老人福祉の主流になるということだ。
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 人文研の調査を踏まえ、援協はJICAの支援を受け今年末から、在宅介護に関する実態調査を実施。サンパウロ市内、近郊で高齢者の生活・経済状況、病気の有無などを調べる。〇三年四月ごろまでに、どの地域にどのようなお年寄りがいて、どのような介護が必要かなど、具体的な内容を明らかにする。
 その上で、傘下の特別養護老人施設、あけぼのホームでデイケアサービスを始める方針だ。具体的な内容はまだ決まっていない。
 まず、ブラジル奄美会より寄贈を受けた会館(ビラカロン区)を改装。お年寄りを集めてのレクリエーションから開始、徐々に入浴など身体介護にも事業を広げる。
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 二世、三世の医者や社会福祉士などで構成される日伯高齢者研究グループ(=GEENIBRA、中川デシオ会長)もこれからは在宅支援が〃要〃だと認識。このほど、デイケアサービスに関する事業計画を打ち出した。
 これは、月曜日から金曜日までの午前八時から午後五時まで、半介護のお年寄りを預かり入浴、食事、散髪などのサービスを提供するというもの。レクリエーションも盛り込む。「日本型のデイケアーを導入する」(中川会長)。受け入れ人数は十五人ほど。サンタクルス病院(ビラマリアナ区)の近くに物件を探している。
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 「私は私の方針で」。高齢者に関わりのある日系福祉団体の連携は、一年に一度、老人週間(九月)に見られるぐらいで、普段の活動ではほとんどない。
 もちろん、援協の医者や救済会の社会福祉士が日伯高齢者研究グループのメンバーであったりするなど、個人的なつながりはある。だが、各団体ともそれぞれのやり方で、在宅支援の在り方を探っているだけ。
 出稼ぎ帰りの家政婦や付添婦、救済会主催の在宅介護の講習会の受講者、そして日伯高齢者研究グループ所属の専門家たちなど、ソフトパワーはいる。サンタクルス病院や日伯友好病院、あけぼのホームや憩の園をはじめとする老人ホームなどハード面もある。
 うまく手を取り合えば、効率的な在宅支援のシステムが確立できるはず。
 小松雹玄JICAサンパウロ事務所長は、「高齢者の実態が分かれば、政府としてどういう支援ができるかが見える」と、協力に前向きな姿勢だ。
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 寝たきりの原因は看護やリハビリの中断、閉じこもり、安易におむつを当てるといった不適切な介護など。医療、保健、福祉の連携により、十分、避けることができる。最悪の事態に陥ったとしても、そこから、抜け出せる。
 寝たきりはつくられたもの。予防は可能だ。
(おわり、古杉征己記者)

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