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■サンパウロビエンナーレ−6
4月6日(土)
うんざりすること―。作家オスカー・ワイルドはこれを最大の罪とした。
そして、まさに今ビエンナーレがそうだった、と書くのはダニエル・ピザ氏。毎週日曜日、エスタド紙の文化欄でコラムを執筆している彼は先月三十一日付の紙面で「わたしが見た、過去最悪のビエンナーレ」とこき下ろした。
主な理由として、「予算不足なのだろうが、偉大な芸術家の作品が来ていない」ことを挙げている。彼によれば、歴史的な傑作が展示されることは美学の啓蒙につながるだけでなく、現代美術の理解の手助けにもなるというのだ。
ダニエル氏の目には「面白いものは半ダースもない」と映った。そして、「美術に関しては見ないよりは見たほうがまし、と言われ続けるが、ここでは美術を好きになることは不可能だ。しみったれたものしかない」と締めくくっている。
教養主義的な新聞が好みそうな、いかにもまっとうな批判で舌を巻く。
が、現代アートはこれまでの美学や美術史では批評できないところまで来ているというのもまた事実で、陳腐、矮小でしみったれたものにしか表現する喜びを覚えない芸術家だっている。そしてその辺に時代の気分が再現されていたりする。
語り得ぬものには沈黙を―。といったのは哲学者ウィトゲンシュタインだが、現代のアートにはあらゆる批評を拒む領域があるような気がしてならない。
目の前の事象を既存の言葉と論理ですべて説明する必要もなかろう。深く考えてみることは大切だとしても。
■サンパウロビエンナーレ-その1
■サンパウロビエンナーレ-その2
■サンパウロビエンナーレ-その3
■サンパウロビエンナーレ-その4
■サンパウロビエンナーレ-その5
■サンパウロビエンナーレ-その6
■サンパウロビエンナーレ-その7 |