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■再浮上する日伯学園構想――第四部日本と国際学校−(4)−日墨学院A−少しでも統合教程へ−絶え間ない国際化努力

3月28日(木)

 「日本・メキシコ両国民の相互理解の増進と教育文化の交流を図り、人類の連帯感を育み、世界の平和と繁栄に貢献し得る国際性豊かな、且つ両国民にとって有為な人材を育成することが本学院の目的であり、建学の精神もここにある」(『十年史』)
 日墨学院はメキシコ市中心地区から南南西に十五キロほど離れたペドリガルという高級住宅街に位置し、付近にはメキシコ国立自治大学(UNAM)やメキシコ教育大学院が隣接する文教地区にもなっている。
 言うまでもなく、世界で唯一、日本人学校を併設した現地校だ。
 三万六千八百八十平米の土地に、主要建築物十三棟(一万二千六百二平米)が分散して建てられている。
 日墨学院には三つのセクションがある。日本コースと呼ばれる日本人学校。メキシコ・コースという現地校。文化センターという前者二つをつなぐ役割を担ったセクションだ。
 二〇〇一年現在で日本コースには二百十三人、メキシコ・コースには八百六十八人が在学する。
 日本コース(小中学部)は日本人学校が前身になったもので、日本の文部科学省の教育課程に準拠すると共に、スペイン語やメキシコ理解学習を実施している。駐在員子弟に加えて、一部メキシコ人子弟もいる。
 二〇〇一年度には、日本コース小学部修了者十人と中学部修了者五人が、公共教育省(SEP)の卒業認定試験(スペイン語、公民教育、メキシコの歴史と地理)を受験し、全員合格している。
 メキシコ・コース(幼小中高校部)は、メキシコ合衆国文部省の教育課程に準拠し、高校部はメキシコ国立自治大学の進学基準に準拠しており、日系人子弟とメキシコ人子弟が通っている。
 同コースの特徴は、幼稚部と日本語教育部にある。
 幼稚部では四〜五歳の日本・メキシコ両コースの子供を預かり、一緒に教育する。「日本・メキシコ混合教育を通して幼児・保護者・教師が一体となって両教育文化の交流を図り、相互理解増進に努め本学院の建学の精神を培う」と『学院紹介』にはある。
 日本語教育部では、幼稚部から高校部の生徒だけでなく、教職員、保護者へも日本語教育をする。「高校卒業時八割以上の生徒を能力試験四級以上に合格させる」ことを目標にしている。
 ただし、継承語(母語)としての日本語教育を必要とする日系子弟用にAクラス≠ェ設けられ、日本の光村国語教科書も使用されている。が、八五年以降、日系子弟が減少し、優秀なメキシコ人子弟を集めてクラス成立最低人数十人を満たしている状況のようだ。
 日本コースは日本の教育課程に沿っているから、メキシコでは認められない。だから、日本コースの途中からメキシコ・コースに編入したりすることは不可能ではないが、困難きわまりないという。
 二つのコースを橋渡しするために、八六年に文化センターが生まれた。出版編集室、国際交流室、課外部活動(運動・文化)から構成されている。
 国際交流部は学院内の日本的行事とメキシコ行事をつかさどり、スポーツ交流やホームステイ、諸外国への研修体験旅行、各種文化講演などを企画・推進をする。
 同校の設立理念は、ドイツ系校同様な統合型カリキュラムで、本国とメキシコの卒業資格が取れることだった。しかし、日本の文部科学省との折り合いがつかなかった。日本人学校と現地校の併設型として開校し、文化センターを作ることによって、少しでも建学理念に近い姿に改良しようと絶え間ない努力をしてきた。
 実際、『十年史』には卒業生が感じた「日墨学院はまったく関係がない学校が二つ同じ敷地内にあるのと同じです。(中略)両コースの生徒が交流できる時間がまったくないのです」という不満が語られている。
 同書にはそれ以外にも、いくつもの問題が挙げられている。現地教師と日本からの派遣教師との給与格差問題。日本から資金援助のある日本コースと、生徒からの月謝や寄付だけで運営されるメキシコ・コースとの教材の貧富問題。毎年見直される現地教師の給与値上げ問題などなどだ。
 二十五周年を迎える現在も、全ての問題が解決したわけではない。
 国際交流基金サンパウロ日本文化センターに派遣されている日本語教育専門家の中島透さんは「文部科学省の規則・規定がブレーキになっているようです。サイドブレーキを引きながら、エンジンを全開にしているような状態だと聞いています」と表現する。
 それでは文部科学省に認められるような、現地校というのはありえないのであろうか。(深沢正雪記者)


再浮上する日伯学園構想−第1部 日伯学園をめぐる戦後移民史

再浮上する日伯学園構想−第2部 日系ブラジル学校の現状

再浮上する日伯学園構想−第3部 外国系ブラジル学校をめぐる諸相


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