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■期待される『ガイジン2』(2)−日系女性4世代描くー「各国移民の実像」がテーマ

3月15日(金)

 「ガイジン2」は笠戸丸移民のチトエ(「ガイジン」の主役)から、彼女のひ孫で混血のヨウコまで四世代の日系女性の姿を通して、二十世紀のブラジルと日系コロニアの歴史を重層的に描く映画である。前作の回想シーンも随所に交えられるという。 
 初期コロノでの生活、移住地の形成、勝ち負け抗争、ブラジル社会への同化、そして日本への出稼ぎ、と百年の流れを一気に語り抜くのだから、わずか二時間の作品とはいえ、その登場人物の数(七十人の俳優と二千人を超えるエキストラ=臨時雇いの出演者)を見れば壮大な叙事詩とも言える。
 前作を単に「日系移民の映画」と見る向きも多いが、そこに映し出されているのは日系移民史と日系人だけでは決してなかった。
 「監督は日本人だけを扱ったのではなく、シンパシー(他国移民にも共通する感情)とヒューマニズムをもってほかのすべての移民も取り上げている。アイデンティティのかっとう、荒野での悲惨な生活、そこでの絶望と屈辱など各国移民が直面したドラマを、レトリックを排したリアリズムとみなぎる活力で描写しきった」とフォリャ・デ・サンパウロ紙(八〇年三月二十七日付)で批評家オルランド・ファッゾニは絶賛。それゆえに「『ガイジン』はブラジル映画初めての叙事詩である」と強調している。
 続編でも基本は変わらないだろう。出演者が増え、物語が厚みを増した分だけ、一人一人の人間描写が薄くなるのでは、という危ぐもあるが、その辺は山崎監督がこの二十三年の間に蓄積した経験と手腕にかかっている。
 記者会見で前回の主演女優・塚本京子は、チトエのその後(四十から五十代後半まで)を演じるに当たって、「また出演することができてうれしい」と語ったうえで、「手探りで手作りの感が強かった第一作と比べると、チズカも大きく偉くなって、今回は世界に向かっての作品になっている」と率直な感想を漏らした。
 山崎監督も「テーマはインターナショナルなもの」とあくまでも普遍的な視野で語りたいという姿勢を崩さなかった。
 その目線の先には世界の映画祭がある。前作は処女作ながら、栄えあるカンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞した。しばしば続編は当たらないと言われるが、これを上回るプレミオを期待されていることは本人が一番よく知っている。    (小林大祐記者)


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