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■再浮上する日伯学園構想−第三部 外国系ブラジル学校をめぐる諸相−(6)−ブラジル一般−教師の質≠ェ条件−問われる勤続年数と月収

3月5日(火)

 「教育において、最新式の教育論や機材にもまして、何よりも重要な点は教師である」。
 なにがよい学校≠ゥを理解するために、一つの参考として、二〇〇一年十月三日付週刊誌VEJA誌の聖市優良私学五十校ランキング特集の内容の一部を、抜粋して紹介する。
 二〇〇一年現在、聖市には二千校以上の私立校があると推測されるが、そのうち初等(小学部)から中等教育(高校部)までを併設している私立校は四百七十三校と見られる。
 それぞれの学校は、宗教色が強かったり、無宗教だったり、リベラルなところや保守的なところもあり、生徒数もさまざまだ。教育システムも、数少ないながらも全日制を続けるサント・アメリコや、半全日制をするミゲル・デ・セルバンテスのようなところもある。
 多彩な学校群の中で、上位五十校に共通しているのは、一般に教師の給与が高く、勤続年数が長い点だ。
同誌は特別取材班を組み、悩みながらも、よい学校の採点基準を提案している。
 最も決定的な評価基準は、広い教室、室内体育館、教えている外国語の種類の豊富さよりも、職員室にあるとする。学校により維持されている、教師の質、その待遇にこそ、本当によい学校の秘密が隠されている。
 授業の一時限当たりの給与額、何時間まで授業計画を練るための時間が給与に組み込まれるか、どれほどの割合でその学校に専任する先生がいるのか。
 その結果、プリメイロ・グラウの一年から四年生までの教師に、二千三百レアル以上払っている学校はわずか十六校のみだった。また高校部において、一時間当たり二十三レアル以上払う学校は、二十五校に過ぎなかった。
 九〇%以上の教師がその専任という学校は、並居る有名校の中でも、ポルトセグーロ、サント・アメリコ、ハインニャ・デ・パス、エタッパの四校のみだった。
 加えて、サンパウロ・カトリック大学(PUC―SP)教育学部のノエリ・ウェフォト教授は「(よい学校には)一貫性のある教育方針が必要だが、それは何年もの経験の積み重ねが求められる」とする。
 同じ教育方針を継続させ、教育方法を成熟させる意味で重要なのが、勤続年数の長短だ。ダンテ・アリギェリ(イタリア系)、ミゲル・デ・セルバンテス(スペイン系)、パルマーレスなどが教師の平均勤続年数が十二年以上だった。
 このような同誌の考え方から、プリメイロ・グラウの五年生からしか受けつけず、受験校に特化したバンデイランテスなどは、このリストから外された。
 教師の質と同時に、重要とされるのが、教育方針を考え、教材をそろえたり作成したりして教師を陰から支えるスタッフの存在だ。
 同ランキングで見事一位に輝いたドイツ系学校のコレジオ・ポルトセグーロには、教育センターが学内に設けられ、改革のエンジン≠ニして教師陣を様々な面でサポートしている。
 同センターの責任者ソニア・ビッテンコートさんは「教師は情報を伝えるだけの存在ではありません。子供たちの批判精神を育て、知識への興味をかきたてる事こそが、重要な役割なのです」とし、そのために刻々と変化する社会情勢を教育に反映させるのが、センターの仕事であることを強調する。
 ポルトセグーロがVeja誌に高く評価された最大の理由は、よい教師を抱えている点だろう。同誌によれば、同校の教師平均給与は、なんと三千二百レアルにもなる。と同時に、教師陣の九〇%が同校専属である点が目を引く。
 これはブラジルでは異例な高給と専属率だ。有名私立校教師の平均給与でさえ、千九百十一レアルだから、文句なしに破格だ。そこに同校の教育哲学の一端を垣間見ることができよう。
 この高給だから、普通の公立校教師のように二校三校と掛け持ちせずに、授業に専念でき、その分教育レベルも上がる。
 また、週に少なくとも三時限の体育と、二時限の美術も、子供の個性を伸ばす情操教育を重視する同校の特徴だ。予備校と化した一部の進学校とは一線を画する。
 では、具体的にカリキュラムを見てみよう。
(深沢正雪記者)


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